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第三の磁性体の存在は限りなく低い 「電子状態の理解を再検討すべき」 KEKなど5団体

高エネルギー加速器研究機構(KEK)や茨城大学、東北大学など5機関からなるグループは、先行研究で報告されていた磁場に影響を受けない性質を持つ「第三の磁性体」の存在が限りなく低いことを明らかにしている。

ハードディスクや磁気カードに磁石を置くと磁気記録が消える可能性があるが、第三の磁性体を使えばそのようなトラブルが起きず安定的に利用することができると推測されている。

第三の磁性体は電子スピンがそろうがその向きが互い違いに反対の「反強磁性体」であり、磁石に引き寄せられる「強磁性体」でもあるという特徴がある。

だが、グループが調べ直したところ、その存在がある可能性は極めて低いと報告されている。「これは今後の応用だけでなく、基本的な電子状態に関する理解を再検討する必要があることを意味している」と説明した。