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日本原子力研究開発機構や山形大学、京都大学など7団体からなるグループは、ゴムとシリカの間に生成する2ナノメートルのカップリング材の単分子層を観測。厚さや組成、界面状態からそれぞれの結合状態を決定することに成功している。今後は対摩耗(まもう)性が改良されたタイヤが開発されそうだ。
自動車用のタイヤでは、ゴム材料の性能を高めるためにシリカナノ粒子を添加している。ゴムとシリカナノ粒子の結合を強くするためにカップリング剤も付着させるが、これが異種材料間でどのように機能しているかを知るためには界面をよく観測する必要があった。
研究グループは新しい構造解析手法「スピンコントラスト変調中性子反射率法」により、ゴムとシリカナノ粒子の境界にカップリング剤が単分子層を形成していることを確認している。また、カップリング剤とゴム材料の相互浸透が、ゴムとシリカナノ粒子の結合の要になると明らかにした。
グループは「さまざまな複合材料における界面状態を決定することで、それぞれの分野の材料開発に貢献できる」と説明している。