文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
コンブ養殖のやっかいモノ「ダルス」 血糖上昇抑制に利用できる? 北大とマリア大

色落ちしたダルス=函館市⾅尻(うすじり)町、4月

北海道⼤学の岸村栄毅教授とカメルーンのマルア⼤学のムネムネ・マーティン・アライン准教授らの研究グループは、低利⽤資源の紅藻(こうそう)である「ダルス」の中でも、⾊落ちによって価値がさらに小さくなるダルスの活⽤を⽬指してオリゴ糖を調製した。

ダルスはコンブ養殖ロープに繁茂し、コンブの成⻑に必要な光を遮ることからやっかいモノとして扱われている。その中でも色落ちダルスは価値が低い。だが、ダルスから調製したオリゴ糖にビフィズス菌増殖作⽤があることが先行研究で分かっている。実験では、⾊落ちしたダルスの⾎糖に関わる酵素に⾎糖抑制作⽤が期待できるかを検討した。

その結果、オリゴ糖の阻害活性は検出することができたが、すでに薬として使われている「アカルボース」に⽐べて弱い程度であった。少ない活性は⼤量摂取による副作⽤の危険性が少なく、⾷事と⼀緒に摂れることなどから⾎糖上昇を緩やかにする可能性を⽰唆しているという。

研究グループは「研究成果はダルスの中でもより価値の低い⾊落ちしたものの有効利⽤法を⽰した」とし「低利⽤資源であるダルスに新たな付加価値が⽣まれることが期待される」と評価している。