ミュオン冷却・加速の実験装置
大強度陽子加速器施設(J-PARC)や名古屋大学、岡山大学など8機関からなる研究グループは、正ミュオンを光速の約4%まで加速することに初めて成功した。ミュオン顕微鏡や文理融合研究などさまざまな応用も検討されている。
ミュオンは電子に似た素粒子で、ピラミットの内部を透視する際などに使われている。ミュオンにはマイナスとプラスの電荷を持つものがあり、互いに粒子と反粒子の関係にある。プラスの電荷を持つものが正ミュオンであり、これは減速して向きと速さをそろえて改めて加速することで、ミュオンビームができる。
研究グループは今回初めてミュオンを冷却・加速することに成功した。ミュオンは素早く動かなければ、崩壊してしまう性質がある。今後、技術開発を進めて、光速の94%まで加速する予定だという。