京都大学の原田博司教授らのグループは15日、サブテラヘルツ帯を用いた無線通信の実現に向け、その伝送特性評価を計算機上で簡易に実行するための電波伝搬シミュレーター(KUCG)を開発したと発表した。
サブテラヘルツ帯は100~300ギガヘルツの周波数で、その利用が第6世代移動通信システム(6G)の研究開発の中で注目されている。これまでこの周波数帯に対応したシュミレーターは入手可能な形で国内に存在しなかった。そのため、研究グループはKUCGを開発した。
KUCGはいまだ開拓途上であるサブテラヘルツ帯の無線伝送方式設計をいち早く始動することを支援するという点で、6Gの開発を後押しする基盤技術として重要な役割を担う可能性がある。
グループの香田優介助教は「本開発シミュレーターKUCGにより、より多くの無線通信設計者がサブテラヘルツ波を用いる無線通信設計に挑戦し、より一層研究開発が活発化することを願っている」と講評している。