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足の動脈疾患は心臓よりも死亡率が約3倍高い 医学・社会的な弱さが影響 阪大など

大阪大学の髙原充佳講師と小倉記念病院の曽我芳光部長、大阪警察病院の飯田修部長らの研究グループは、下肢閉塞性動脈疾患のため血行再建術が必要となった人は、冠動脈疾患で同手術が必要となった人に比べて、死亡率が高いことを明らかにした。医学・社会的弱さに対する方策を練る必要性を指摘している。

研究グループは下肢閉塞性動脈疾患または冠動脈疾患に対して血行再建術を受けた患者 1万754 人のデータを分析して死亡リスクを調べた。

その結果、下肢閉塞性動脈疾患の人は、冠動脈疾患と比べて死亡率が2.91倍も高いことが明らかになった。調査すると、下肢閉塞性動脈疾患者は持病がある人が多く、心血管保護薬の使用率が高い傾向にあった。加えて、栄養不良やフレイル、要介護状態などにある患者が多く、そうした社会医療的弱さの違いを調整すると、死亡率の差が約9割縮んだ。

グループは「死亡リスクの高さと関係する因子が明らかになったことで、将来、下肢閉塞性動脈疾患の死亡率を下げる医学的・社会的アプローチの開発が進み、その実行につながる」と説明している。