東京工業大学
東京工業大学と日本電信電話(NTT)は、日米でオフィスとリモートワークを組み合わせて働く「ハイブリッドワーカー」の幸福度を調査した。日本よりも米国のハイブリッドワーカーが、上司などからの要請(命令的規範)によるリモートワークが社会的に満たされていると分かっている。
研究グループは両国に住む18~64歳のハイブリッドワーカーを対象にオンラインでアンケートを1000人ずつに実施し、12人ずつにインタビューを行った。
それによると、両方とも職場のお願いによるリモートワークへの適合意欲と他の社員の働き方の認知の強さに正の関係があることが分かっている。一方で、日米で命令的規範の大きさと仕事におけるウェルビーイングの関係性が異なることが認められた。
例えば、米国では職場からの要望と仕事における幸福度に正の関係がみられたが、日本ではそのような関係がなかった。また、インタビューから日本人は会社からの命令を自由の制約として捉える一方、米国の参加者は快適に働くための基盤として肯定的に捉えていた。
研究グループは米国の雇用保護規制が日本よりも緩やかで、会社からの指示に従わないと失業リスクが高まるため、働き方における指示の明確さが重視される可能性を推測。他方、日本の雇用保護規制は米国よりも厳しく、失業リスクが低いため、個人の利益や自由が重視されると考察している。
グループは「リモートワークやハイブリッドワークにおける従業員のウェルビーイングの課題をさらに深く理解することを通じ、サスティナブルな分散型社会の実現に貢献したい」としている。