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AIが解き明かす、動物の協力行動の可能性 高い認知力が「なし」でも実行可能 名大

名古屋大学の筒井和誌特任助教らのグループは、人工知能(AI)を用いて生物の集団における協調的狩りが単純な仕組みで出現しうることを実証した。自然界の生物による協力行動の理解やAIエージェントの開発につながることに期待が寄せられている。

協力した狩猟は複雑な社会行動をとるチンパンジーやライオンなど特定のほ乳類で観察されており、高い認知能力が必要と考えられてきた。だが、近年、は虫類や魚類でもそうした行動が観察され、必ずしも高度な認知能力が必要でないと指摘する人もいる。一方、認知や意思決定力に言及することは難しく議論が決着しなかった。

研究グループは自律的に学ぶ「深層強化学習」ができるAIエージェントが、動物が周囲との相互作用の中でどのような集団行動をとるのかを多くの条件で検証した。その結果、「単独での捕獲が困難である」と「捕食者間で獲物が共有される」という二つの要因が組み合わさることで、協同して行う猟につながると見いだした。

AIエージェントの内部表現の可視化や行動の再現などを通して、連携して獲物を捕まえる動きが単純なメカニズムで実現しうると確認されている。

筒井特任助教らは「協調的な狩りがどのような動物群で生じるかを再評価することにつながり、より広い生物種において協調的な狩りが進化する可能性を示唆している」と説明した。