名古屋大学の松井彩研究員と松林嘉克教授のグループは、細菌のべん毛を構成するたんぱく質である「フラジェリン」から免疫を誘導するペプチド断片を切り出す「プロアテーゼ」を発見した。病気に強い植物の生産につながると期待されている。
植物はべん毛を構成するフラジェリンを認識して免疫応答を誘導する。そのとき、免疫誘導ペプチドが、植物のプロアテーゼによってフラジェリンが断片化されて、生じると考えられてきた。だが、実際にどのように細かくなるかは分かっていなかった。
研究では、プロアテーゼSBT5.2とSBT1.7がフラジェリンをちぎって免疫誘導ペプチドを切り出すことを確認することに成功した。グループは「これらの結果は、植物が病原細菌を認識する仕組みを理解する上で重要な手掛かりとなる」と評している。