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電気分極の反転を観察 新たな顕微鏡手法「局所 C-V マッピング法」を開発 東北大

東北大学の平永良臣准教授らの研究グループは、人工知能(AI)などへの応用が期待される強誘電体の分極反転挙動をナノスケールの空間分解能で、従来の300分の1の時間で高精細な画像を観察できる新しい顕微鏡手法「局所 C-V マッピング法」を開発した。

電圧によって分極を反転する強誘電体の性質を利用したメモリデバイスが実用化されている。だが、多数の動作を繰り返すとデバイスの分極量が減り、信頼性が損なわれていくという課題がある。その改善のためナノスケール評価技術の発展が求められていた。

新手法により従来は数日間もかかる電圧の計測が、10分程度でできるようになったという。分極疲労現象に関する理解が進み、その知見に基づく材料特性の改善が促されると期待されている。

グループは「強誘電材料特性に関する更なる多角的な解析が可能となり、この分野の発展に貢献することが期待される」と評している。