橋梁のケーブル定着部
NEXCO中日本と理化学研究所は、橋の目視による点検が困難な場所を可視化するための「理研小型中性子源システム(RANS)」を活用した技術の開発を始めていると発表した。実際に運搬して実用できる装置の発明に取り組んでいくという。
橋をケーブルでつり支える形式では、その定着部には防水用カバーが設置されている。だが、水分侵入を完全に防ぐことはできず、腐食の進行が起きている。そうした中、目で見て確認する検査は難しい現状にある。そこで、水素に高い感度を示す中性子を利用した可視化技術の発明に着手したという。
2者によると、RANSを使うことで破壊せずに変状箇所を確認できる。行った実験では、正常なケーブルと内部に帯水したものの両方に中性子を照射して状況を確認することに成功したとしている。
両者は今後について「実用化を目指し、ケーブル定着部の滞水状況の中性子計測手法や、水分などの可視化技術の高度化開発を行う予定だ」と説明。さらに「システム自体の運搬ができ、橋梁を点検ができる可搬型小型中性子源システムの開発に取り組む」と意気込んでいる。