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シベリア森林火災、気温の低下やエアロゾル増加に寄与 2万人超の死者がでる可能性 北大・東大・九大

北海道大学と東京大学、九州大学の研究グループはシベリア森林火災が気候、大気質、経済に与える影響について評価した。北半球での平均気温の低下や日本における死者が2万人以上増える可能性が指摘されている。

グループは気候モデル「MIROC5」を用いて、シベリア火災が大気中のエアロゾルを増加させて環境に与える影響をシミュレーションした。

それによると、火災は北半球の広い地域で気温を下げる効果を持つことが明らかになった。加えて、現在の気候条件下であれば、平均気温の低下が確認されたという。一方で、ロシアや東アジアの国でPM2.5(微小粒子状物質)を増やし、大気質を悪化させるだけでなく、健康にも害を与えていた。

また、PM2.5の濃度が高くなることで日本では2万2000人ほど死亡者を上昇させ、約840億ドルの経済損失をもたらす可能性もあるとしている。

研究グループは「森林火災によるエアロゾルの排出が、気候システムにどのように影響を及ぼし、健康や経済に影響を与えるかを把握することは、今後の気候変動対策や公衆衛生の取り組みにおいて極めて重要だ」と説明する。