筑波大学と弘前大学、東洋学園大学の研究グループは、「社会的に孤立している」と主観的に感じることは孤独感や抑うつ症状と関連すると発見した。一方、客観的孤立状態では症状がほとんど見られなかったという。メカニズムの理解が予防につながるとしている。
研究では2022年3月に3315人を対象にオンライン調査を実施し、孤立の客観的指標である社会的ネットワークや孤立感、抑うつ症状などについて検討した。
その結果、主観的に孤立感を抱くことは抑うつ症状と関連した一方で、客観的な孤立状態ではそうした症状が表れることはなかった。さらに、本人が仲間がいないと認知した上で、それを感じることによって病態はより強くなることが判明している。
男女別に解析した場合にも、同じ成果が得られており、性別に関係なく孤独感が抑うつにつながると結論付けている。
グループは「抑うつ症状により強く関連する要因は、社会的に孤⽴していると感じることや孤独感であることが分かった」と説明。「今後さらに、社会的孤⽴と孤独の予防や軽減のために効果的な⽀援や介⼊の⽅法について研究を進める」と力を込めている。