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イカの生殖方法は誕生日で決まる? 「戦い」か「割り込み」か、仮説検証 東京大

ヤリイカ

東京大学の細野将汰大学院生と岩田容子准教授らのグループは、ヤリイカの雄の繁殖戦術が孵化(ふか)日と環境条件が、その作戦を決定していると考察した。気候変動がイカの成熟サイズを変化させ、生殖法の決定に関与するリスクを説明し、温暖化が海洋生物に与える影響を指摘している。

ヤリイカには2種類の繁殖戦術がある。体の大きなイカは他のオスと戦い、小さなイカは闘争を避けてペアに割り込んで生殖する。それら方法は1度決まると変更されないと考えられ、生まれた日で決定される「誕生日仮説」が提唱されていた。

これを実証するため、誕生日を測定できるイカの頭部にある「平衡石」を使って成長履歴を調べた。その結果、体の成長の良し悪しは生後100日間は変わらず、誕生したタイミングに由来する環境の何らかの要件が繁殖戦術を決定していると推測された。

研究グループは「生活史の特定の時期の環境条件が個体の繁殖戦術、成熟サイズを決定することが明らかになった。気候変動によって孵化時期の水温などの環境が変化すると、成熟サイズを大きく変化させる」と指摘。「研究成果は気候変動が海洋生物に与える影響の予測にも役立つ」と評価している。