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女性医師による治療は死亡率と再入院率を下げる? 死亡率、マイナス0.24ポイント 東大・米カリフォルニア大調査

東京大学の宮脇敦士特任講師と米カリフォルニア大学の津川友介准教授らの研究チームは、女性医師に治療された患者は死亡や再入院率が低い傾向にあることを明らかにした。22日付の米医学学術誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」のオンライン版に掲載されている。

研究グループは約78万人の患者について、医師と患者の性別の4つの組み合わせを分析。患者が医師を選べない状況を作るために、緊急入院の患者のみを対象としている。

その結果、入院後30日以内の死亡率は、女性医師に治療された女性患者は8.15%。男性に治療された8.33%よりも0.24ポイント低いと分かった。また、男性患者では女性による治療で10.23%、男性に治された場合10.15%だった。30日以内の再入院率でも同様の傾向が確認されている。

宮脇特任講師らは、医療現場における女性医師を増やす努力を続ける必要性を指摘。今後は「この結論に至る具体的なメカニズムをより詳細に解明することで、質の高い医療を男女平等に提供する方策を講じていく必要がある」と説明している。