人類の活動が始まった火星のイメージ画像
北海道大学の藤田知道研究室と宇宙産業をサポートする「デジタルブラスト」は、火星を模擬した環境で植物メカニズムの研究を開始すると発表した。人類が月や火星で植物を栽培するために基礎的知見を得ることを目的としている。
有人月面探査「アルテミス」計画や他惑星での食料生産が目指されている一方で、現在まで国際宇宙ステーション(ISS)による植物整理実験は12テーマしか行われていない。そのため、宇宙での栽培に必要な知識を獲得するための実験を開始する。
研究では重力環境を操作する技術を新たに開発することで、惑星の重力における転写因子の機能を調べて宇宙での農業活動による植物への影響評価に取り組むという。
研究グループは「本研究が研究者および民間企業の興味を喚起しISSの日本実験棟『きぼう』の民間利用ニーズを高めることで宇宙植物学が進展し、将来的には火星環境下での植物育成まで発展することも期待している」とコメントした。