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生まれつきの難聴、1000人あたり約2人 先天性サイトメガロウイルス感染症は4%以上 信州大調査

信州大学の宇佐美真一特任教授らのグループは、生まれつきの難聴の頻度や原因を明らかにした。1000人あたり、1.62人が先天性難聴をもって生まれることを突き止めている。原因として注視される「先天性サイトメガロウイルス感染症」も4%超含まれていた。

先天性難聴は早期の発見および治療が可能となってきたが、実際に新生児における生まれつきの難聴の割合や原因に関する報告が日本ではされていなかった。

グループは2009~19年に長野県で出生し、聴覚スクリーニングを受けた15万3913人を対象に調査を実施した。それによると、要精査となった子どもが661人おり、そのうち249人が難聴と診断された。つまり、先天性難聴は1000人あたり、1.62人であり、両側性難聴が0.84人、一側性難聴が0.77人であることが判明している。

また、難聴の原因として注目されている先天性サイトメガロウイルス感染症による難聴は約4~5%であることも確認されている。

グループは「今後、本研究成果を元に、より早期に適切な検査や介入が行われるように小児難聴医療の向上に努めるだけでなく、新規難聴医療の開発を進めていきたい」と力を込めた。