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1972年以降の出生者、乳児股関節脱臼が激減 ライフコース疫学が注目 九大

九州大学の山手智志医員らは1972年の出生年を境に、乳児股関節脱臼(だっきゅう)の治療歴のある患者の減少傾向が始まったと明らかにした。性腎疾患を新生児からの連続した病態と捉える考え方を用いることにより、人生の早い時期からの疾病予防の重要性が注目されている。

研究では全国12病院の共同研究により、思春期、成人期の変形性股関節症の横断的疫学調査を行った。その結果、新患患者1095人(1383 股関節)の調査時年齢は平均63.5歳で、寛骨臼(かんこつきゅう)形成不全の有病率は73.8% (1019股関節)であった。

幼少期の治療歴の存在率の出生年による変化を図示したところ、72年を境に治療歴のある患者の減少傾向が始まっていた。同年頃に始まった新生児の自然な下肢屈曲を妨げない育児方法が要因だと考えられる。

生まれた年が同年以前の手術の難しい「重度亜脱臼」の有病率11.1%、予防運動開始後に出生した患者は2.4%で、新生児期における予防運動は割合を5分の1まで減少させたことと関連しているという。

山手医員は「本研究は、わが国の整形外科学が成し遂げた予防医学の成功を可視化したもので、変形性股関節症はそのモデル疾患として、次世代の医学教育に役立つことが期待できる」とコメントしている。