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白血病の予後予測につながる遺伝子異常を発見 最適な治療に導く 京大研究G

京都大学の松尾英将准教授らの研究グループは、白血病の一種「急性骨髄性白血病(AML)」の予後予測につながる遺伝子異常を発見した。細胞の増殖に関与する遺伝子「コドン12」の変異が、精度の高い予測につながるという。18日付の国際学術誌に掲載されている。

AML は白血球になる前の細胞に異常が起こり、がん化した白血病細胞が骨髄で無制限に増える血液疾患。

研究グループはDNA塩基配列の決定を短時間で行う装置を使って遺伝子分析をし、コドン変異による生存率の違いを調べた。その結果、コドン12に変異を持つ症例は、コドン13や他のコドン変異を持つ症例と比較して予後不良であることが明らかになった。

また、現在リスク分類に用いられる他の遺伝子異常とは独立して不良に関与していることも明らかになっている。さらに、コドン12変異が予後不良に関わるのは、KMT2A再構

成AMLの特徴であると考えられた。

研究グループは「今後は、KMT2A再構成AMLにおいてKRAS遺伝子変異の中でも特にコドン12変異が予後不良に関わるメカニズムについて、詳細を明らかにしていきたい」と力を込めている。