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世界最高の空間分解能120ナノメートルを実現 医学・生物学などで寄与 東大

東京大学の井手口拓郎准教授らは、約100ナノメートルの世界最高空間分解能を持つ中赤外顕微鏡の開発に成功した。非破壊、非標識、非接触での分子振動イメージングが可能になり、生物学、医学、材料工学などの分野での幅広い利用が期待される。

井手口准教授らは空間分解能の限界を突破する「中赤外フォトサーマル顕微鏡」に新たな技術を導入して約100ナノメートルの分解能の実現に成功した。

レンズが光を集める範囲を表す開口数が高い対物レンズを用いる「開口合成法」と、ナノ秒以下のパルス幅を持つ中赤外パルス光源を開発することで従来存在していた問題を解決することに成功している。

これにより120ナノメートルの空間分解能を実現。今後100ナノメートル以下の分解能へ改善する余地があるという。

井出口准教授らは「微細な構造を持つ物質の分子振動の分布を非破壊、非標識、非接触で分析することを可能にし、生物学、医学、材料工学などの分野での幅広い利用ができる」と評価している。