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テトラサイクリン系抗菌薬、免疫を活発化 新たながん免疫療法の開発に期待 阪大

大阪大学の岩堀幸太特任講師らの研究グループはテトラサイクリン系抗菌薬に免疫ふ活作用があることを発見し、その作用プロセスを明らかにした。研究成果を生かした新たな免疫療法の開発が実現するかもしれない。

研究グループは細菌を壊したり増えたりすることを抑える抗菌薬について検討した。テトラサイクリン系抗菌薬に免疫に活力を与える作用があるかを調べると、ヒト抹消血中と肺がん患者のがん組織のTリンパ球で、がん細胞障害活性が増強すると分かっている。

また、マウスにがん細胞を移植する実験において、がん細胞移植後にテトラサイクリン系抗菌薬を経口投与することで、マウスのがん増大が抑制されることを突き止めている。

研究グループは「研究成果は、これまでがん免疫療法で用いられてきた免疫チェックポイント阻害薬などと異なる作用機序に基づいたテトラサイクリン系抗菌薬の免疫賦活作用を明らかにしたものであり、新たな作用機序に基づいたがん治療薬の開発が期待される」と評価している。