名古屋大学の稲田俊也特任教授らの研究グループは、地磁気よりも弱い超低周波変動する超微弱磁場環境(ELF-ELME)による治療が抑うつ症状の改善につながることを発見した。うつ病治療の臨床現場に画期的な変化をもたらす可能性があるという。
研究では4人のうつ病患者にELF-ELME装置を1日2時間、8週連続で装着してもらった。2、4、6、8週目にうつ病の重症度評価を行う指標「MADRS」を用いて症状を確認している。
その結果、平均改善率は31%、45%、60%、68%であった。MADRSの平均点は時間が経つにつれて有意に低下していた。
研究グループは「現在のうつ病治療に比較して、副作用が想定されず、利便性にも優れている」と指摘。「対照群を置いた臨床試験において有用性が確認されれば、現在のうつ病治療の臨床現場に、革命的で画期的な変化をもたらす」と紹介している。