早稲田大学
早稲田大学の川上泰雄教授と国立スポーツ科学センターのグループは、トレーニング効果を生み出す最少のメカニズムについて、工夫によって短時間でも大きな効果をもたらし得ると発見した。
近年、効率的なトレーニングの研究が盛んだ。最新の知見では、「60秒以内の高強度間欠的運動」が最大の酸素摂取量を向上させることが分かっている。だが、その仕組みは解明されていなかった。
今回の研究では、トレーニング効果を生み出す最少量の解明を目指し、異なる高強度間欠的運動中の全身・局所のエネルギー代謝、大腿部の筋活動について検証した。分析で用いた運動課題は、「10秒の全力スプリントを80秒の休憩時間を挟んで4本」と「20秒の全力スプリントを160秒の休憩を挟んで2本」の2種類だ。
その結果、「10 秒以上の全力スプリントを反復する場合、全身・筋肉の有酸素性エネルギー代謝を高めるためには2本で十分」「わずか40秒の高強度間欠的運動で、大たい部の主要な筋群の活動が高まる」など5つの成果が得られた。
研究グループは「最大酸素摂取量の改善はアスリートの競技力のみならず、一般成人においても疾病予防につながることがこれまでの研究で明らかにされている」とし「本研究で用いた運動様式は、加齢に伴う大腿部の筋肉量の減少を食い止める一助となる」と期待を寄せている。