京都大学の井上浩輔准教授と米カリフォルニア大学の津川友介准教授らの研究グループは、配偶者の心血管疾患(CVD)によって本人のうつ病リスクが上昇すると発見した。
研究では27万7142組の20歳以上の夫婦のペアを作成。2016年~21年にかけて追跡調査を実施した。配偶者のCVD発症とパートナーのうつ病の関連性を明らかにすることを目的としている。
その結果、配偶者(被扶養者)が脳卒中や心不全、心筋梗塞といったCVDを発症した夫婦では、配偶者が発症していない場合と比較して、世帯主(被保険者)がうつ病を発症するリスクが13%高いことが分かった。また、配偶者が入院を要するような重症なケースではより強い関連が認められたという。
研究グループは「予防医療が注目を浴びる近年において、患者本人に加えて患者の家族を意識したケアを提供することは重要な視点となる可能性がある」と指摘。「更なる知見の創出と効果的な施策の開発が求められている」とコメントしている。