京都大学の東樹宏和教授らの研究グループは、DNA分析で検出した細菌やアーキア、真菌が共存しやすい種で構成されるグループに分類されることを発見した。農地生態系を管理し、農薬や肥料の使用を抑えた農業が拡大していくと期待されている。
研究グループは全国で2000以上の土壌サンプルを採集。計2万6000超の細菌、アーキア、真菌を検出した。
微生物種間の関係性について分析を行ったところ、共存する傾向が強い微生物のグループが複数検出された。これらのグループごとで、作物病害の危険性との関連性が大きく異なっており、微生物のセットをターゲットとして、農地土壌の管理を行う必要性が示唆されている。
また、細菌などが集まる微生物そうの構造と作物病害の関連性について統計分析を実施。その結果、土壌の微生物の集団の構造と病害リスクに関連性があり、リスクの指標生物として重点的にモニタリングすべき細菌および真菌のリストを作成することができたとしている。
研究グループは「今後も複雑な微生物そうの構造に関する情報を蓄積していき、生物がもたらす機能を生態系レベルで最大化する科学研究の領域を開拓していきたい」と力を込めている。