文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
難病「成人もやもや病」を画像研究 血流悪化が認知機能を下げる? 東京医科歯科大など

東京医科歯科大学の原祥子助教の研究グループは、順天堂大学や名古屋大学などと共同で、言語障害などが起こる難病「成人もやもや病」を対象とした脳画像研究を行った。脳血流悪化により脳の老廃物を運ぶ「グリンパティックシステム」の働きが悪くなり、認知機能低下につながる可能性が示されている。

もやもや病は、脳の太い動脈が細くなり、脳血流が低下し、それを補うためにもやもや血管と呼ばれる異常血管が形成される病気。原因は不明で治療はないが手術による改善も見込める。研究グループはもやもや病患者を対象に、グリンパティックシステムと脳血流の関係を調べた。

分析では2015年9月~21年10月の間に患者46人と健康な33人が参加し、MRI撮影を行った。患者全員が正確で詳細とされる「15O-ガスPET」、認知機能検査を受けている。

患者とそうでない人で血管の水の拡散率を比較したところ、患者は広まる割合は低く、グリンパティックシステムの動きが低下している可能性があった。患者の脳の状態を細かく分けてみると「脳血流低下があまりない場合」「血行再建術を行ったあとの場合」「脳血流低下が明らかで症状がある場合」の順で拡散率は低くなり、いずれも健康な人より悪かった。

次に水の拡散率を15O-ガス PET 検査の脳血流量、MRIで評価した間質自由水、認知機能検査との関係を調査。すると、脳血流量が低いほど分散し難く、その割合が低いほど間質自由水が増え、認知機能検査の結果が悪くなることが分かっている。

これは、脳血流が低下するほどグリンパティックシステムの働きが落ち、間質自由水がたまって老廃物の排出が滞り、認知機能が悪くなる可能性を示している。

研究グループは今後について「今後、同じ患者さんの血行再建術を行う前と後のデータを集めていき、血行再建術がもやもや病患者さんのグリンパティックシステムの機能を改善するのかどうか、探索していく予定」としている。