名古屋市立大学の岡田淳志准教授らは、炎症を抑制する役割を持つ「Ｍ２型マクロファージ」が尿路結石の予防に有効であることを明らかにした。尿路結石治療の新たな道を開く可能性がある。

尿路結石は国民の約１０％が、り患する国民病だ。その再発率は５年で５～６割に上り、適切な治療がなされなければ命にも関わる。新たな予防法や再発リスクを減少させる方法の開発が重要な課題だ。

研究グループはＭ１とＭ２マクロファージを分化させた研究を実施。シュウ酸カルシウム一水和物という尿路結石成分とこれらのマクロファージを共培養し、マクロファージによる結石溶解現象を観察した。Ｍ２は周囲の結晶を積極的に溶解し、Ｍ１の５．６倍の溶解率を示したという。

岡田教授らは「新しい治療薬の候補が同定された場合、ｉＰＳ細胞由来マクロファージだけでなく、動物モデルや最終的には人における治療効果の確認へと進むことが期待される」とコメントしている。