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生体内部を観察する新たな方法を開発 3D多細胞組織を利用する研究に寄与 阪大とイエナ大

大阪大学と独イエナ大学の研究グループは、生体内部を観察できる新たな超解像顕微法「シートアクティベーション型構造化照明顕微法(SPA-SIM)」を開発することに成功した。これらの試料を用いた生物や医、薬学研究への幅広い貢献が期待されるとしている。

本研究グループでは、観察用対物レンズの焦点よりも薄いシート状の照明と発光状態のonとoffを切り替え可能な蛍光たんぱく質を用いて、選択的に発光する領域を限定することで生体内部における背景光の発生を抑制することに成功した。

さらに、限定した発光領域にしま状の光を照明し蛍光を検出することで生体内部を超解像観察可能なSPA-SIMを開発したという。研究では、従来手法では観察の難しい立体的な形状の細胞塊「細胞スフェロイド」の内部構造を超解像観察ができたとしている。

研究グループは「これは顕微観察技術の進展において重要なマイルストーンとなる」と表現。「これまで見ることができなかった現象を明らかにできる新たな技術となる」と説明している。