東京⼯業⼤学の⼤上雅史准教授らは、創薬における低分⼦化合物の物性や活性を予測する新たなAI予測⼿法を開発した。これによる化合物の予測と解釈はAIの医薬品開発を加速させる技術の進展に大きく貢献するとしている。
これまでAIの予測は「なぜその予測結果となったのか」という理由を考えるための情報に乏しく、結果の解釈は熟練した専⾨家の知識と経験に委ねられる傾向にありプロセスの明確化が望まれていた。
研究チームは訓練データの正解を教えて学習させる教師あり機械学習手法「MMGX」の構築を実施。さらにデータの重要な部分を認識させる「アテンションウェイ機構」を取り入れることで「どの部分構造に着目してその予測結果としたのか」という情報を得られるようになった。
研究グループは既に、今回発表した⼿法を改善したAI予測手法の構築を進めているという。大上准教授らは「AIを活⽤した創薬⼿法の実⽤化が叫ばれているが、研究成果はAIと⼈間が協⼒して⾼度な成果を⽬指す考え⽅を加速するもの」としている。