京都大学や名古屋大学、北海道大学、名古屋工業大学の研究チームは、会話型AIエージェント(CA)が集団の偏見と不安を軽減すると明らかにした。CAのいるグループはそうでない場合と比べて、意見をより多く長く述べ、外部へのネガティブイメージを軽減させたとしている。
研究では「CA支援あり」と「CA支援なし」の2つのグループを作成。実験参加者はオンライン上で、2時間の同期議論を行った後に、3日間の非同期で議論をした。そして、議論の前後などにアンケート調査を実施した。
その結果、支援を受けたグループは偏見と不安が低下し、他のグループよりも議論において社会貢献のレベルが高くなっていた。これは、介入グループの参加者は、統計的に有意なアイデア数を共有し、長い意見を述べていたことになるという。
研究グループは「長期的には、CAファシリテーションに基づく人間の相互作用に関して、AIによる介入がポジティブな社会変化を促進し、社会の持続可能性を高める可能性を明らかにしたい」とコメントしている。