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グリーンランドのPM2.5発生源は地元か他国か? 要因特定の必要性を指摘 北大・筑波大・名大が初調査

北海道大学と筑波大学、名古屋大学の研究グループは、グリーンランド北西部のカナックで初めて微小粒子状物質(PM2.5)の観測を2022年7月20日~8月13日に行った。発見されたPM2.5は地元住民の大気汚染によるものだとする一方で、要因特定の必要性を指摘している。

それによると、PM2.5濃度が増加するイベントが5回発生。粒子がどこからきたかや拡散方向などを予測できる「NOAAHYSPLIT」を使って解析したところ、大気汚染ソースはなかった。

午後に増加する傾向があり、ごみ捨て場から黒煙があがるのを確認したため、その煙が飛んできていると推測されている。総合的にPM2.5が上昇する原因は地元住民による大気汚染だと結論付けられている。

研究グループは「カナックのような高緯度北極域に住む人々も、大気環境を定常的に把握でき、清浄な大気の下で長期的に健康に過ごせることは極めて重要」と説明。「今後、より包括的な大気質の観測やローカルな大気汚染の要因の特定などに関する研究が必要だ」と指摘している。