中央大学とインドネシアのボゴール農家大学、環境保全に取り組むWWFインドネシア、WWFジャパンはジャワ島で、質・量ともに統計分析に十分使えるシラスウナギの漁業データを収集することに成功した。世界のシラスウナギ漁業のデータ収集に貢献する成果だ。
インドネシアのシラスウナギ漁業は、個人が行う経済活動であり、違法取引をする人もいるため漁業データの収集は困難だ。チームは、実際に地域社会と協働する住民参加型の資源評価がシラスウナギ漁業で可能なのかを検証した。
チームが約400人の漁業者に協力を働きかけた結果、すべての人が情報収集に同意。2019年1月1日~12月9日までのチマンディリ川における3351回の操業データを得ることに成功している。
そのデータを解析すると、シラスウナギの来遊量は1026万2840匹と推定。漁獲率は24.9%であると分かった。
今回の研究は約1年間のデータであり、今後モニタリングを継続することが必要だという。研究グループは「データ収集だけでなく、意思決定においてもステークホルダーの参加を得ることで漁業管理を改善することができる」としている。