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抗がん剤「オプジーボ」の効果を予測 免疫チェックポイント関連因子から 世界初 近大・京大・シスメックス

近畿大学と京都大学、医療機器メーカー「シスメックス」は、抗肺がん剤「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」をはじめした抗PD-1抗体の効果を、⾎液中の「免疫チェックポイント関連因⼦」から予測できることを明らかにした。世界初の発見となり⾮⼩細胞肺がんの治療⽅針の検討に役⽴つと期待されている。国際的学術誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲイション」に2日付でオンライン掲載されている。

PD-1は、免疫細胞の表⾯に存在する「免疫チェックポイント」と呼ばれるたんぱく質の1つ。ここにがん細胞が作るたんぱく質「PD-L1」が結合すると、免疫が抑制されてがん細胞が増殖する。オプジーボはこれを防ぐもの。だが、精度は十分でなく免疫状況を予測できるバイオマーカーが求められている。

研究グループは可溶性免疫チェックポイント関連因⼦(PD-L1、PD-1、CTLA-4)を精密に測定する⽅法を開発。採取した⾎液を⽤いて、⾎球の遺伝⼦解析と⾎しょう中の可溶性免疫チェックポイント関連因⼦の測定などを⾏った。

その結果、⾎しょう中のPD-L1とCTLA-4の濃度を確認することで、抗PD-1抗体の有効性を予測でき可能性が⽰唆されたとしている。

ノーベル生理学・医学賞をPD-1の発見で獲得した京大の本庶佑特別教授は「本研究は、がん免疫治療の効果予測へ向けた重要な⼀歩だ」と高く評価。近大の林秀敏主任教授は「本研究結果により、肺がん患者さんに対して免疫チェックポイント阻害薬の有効性を侵襲性が少ない⽅法で効率的に予測できる可能性がある」とコメントしている。