早稲田大学の大須理英子教授らの研究グループは、言葉を介さずに協調動作をする2者間の脳波の同期性に注目した実験を実施した。初対面の方が知り合いよりも、互いの脳波が密に同期することを明らかにしている。対人関係の困難などが起こる「自閉スペクトラム症」などに対する新たなアプローチの提案が可能となるという。
研究グループは、リズムを作成する「交互タッピング課題」をする2人の脳波を同時計測した。それぞれの脳の状態について、同性の初対面と知り合いのペアで比較検討を行った。
その結果、初めて会ったペアが知り合いよりも密につながっていることが分かった。研究グループは「初対面同士ではよりエンゲージして新しい関係性を作ろうとし、その結果、脳活動の同期が観察されたと考えられる」と分析している。
今後について「エンゲージメントが高いほどお互いの脳波が同期するかどうか検証をしていく必要があるため、初対面ペアや知り合いペアから拡張し、社会的つながりをもつペアを対象として互いのやりとりを調べる実験で検証していく」と意気込んでいる。