東京農工大学の福田信二教授らのチームは、淡水魚「カワムツ」の分布を高精度に予測する種分布モデルを開発した。この手法は、生態系管理や保全戦略を検討する際に定量的な情報を提供し、持続可能な環境管理に寄与できるという。
研究チームは5年間の月次調査データに基づいてカワムツの出現と物理環境データの関係性を解析。時間変数を取り入れて、生態や環境応答の時期による遷移を表現し、これまでよりも高精度な予測を実現している。季節や分布変化を捉えられるようになったという。
チームは「種の生態や環境への応答を時間的な観点から詳細に捉える能力を示し、従来の分布予測モデルを超える精度を実現しており、生態系管理や保全戦略の策定における有用なツールとして、持続可能な環境管理に貢献できる」と評価している。