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喘息の新規バイオマーカーに「ガレクシン10」 阪大研究Gが確認 エクソソームで網羅的解析

大阪大学の武田吉人准教授らの研究グループは、気管支喘息(ぜんそく)において病態や診断に有用な新規バイオマーカー(BM)に「ガレクチン10」を世界で初めて同定した。29日付の米国科学誌に掲載されている。

世界保健機関(WHO)によると、世界の喘息患者25万人が1年で死に至っている。だが、これまで複雑多様な病型や疾患活動性を捉える新規バイオマーカーの開発が不十分であったという。

研究グループは新規メッセンジャーとして注目されている「細胞外小胞(エクソソーム)」の網羅的解析を実施。血液1滴から3000種以上に及ぶたんぱくを捉え、喘息患者の肺も同時に解析する統合解析をした。その結果、喘息病態と密接に関わる新規BMにガレクチン10を同定した。

また、喘息に合併することが多い「好酸球性副鼻腔炎(ECRS)」においても、同じBMが病勢と相関することが発見されている。

研究グループは「本成果から見出された新規BMが、喘息診断だけでなく、病態解明や治療法開発に有用であることが示唆された」と評している。