日本電信電話(NTT)とオリンパスは共同で、内視鏡の映像処理機能をクラウド上で実現するクラウド内視鏡システムの実証実験を開始した。クラウド内視鏡システムのビジネス化にむけたモデルを確立し、内視鏡装置の処理性能の限界を克服していきたい考えだ。
リアルタイムでの遠隔診断や治療の実現など新たなユーザーニーズに基づく柔軟な機能改善が、必要になる場面が増えることが今後予想される。そこで、映像処理等処理負荷の高い一部の機能をクラウド上で分担する「内視鏡のクラウド化」が議論されている。
そのためには高速低遅延のネットワークの実現や異常を速やかに検知する技術、高度なセキュリティ対策が課題として存在する。それらの施策として、両社はクラウド化に伴う遅延が発生しないことやトラブルがあっても最低限の機能を提供できる技術、暗号化技術などの検証を行う。
両社は「今回の実証を通じクラウド内視鏡システムの実現性を確認するとともに、高度な医療へのアクセス拡大などの社会課題の解決に貢献していく」と説明している。