東北大学と同大発ベンチャーの「エレベーションスペース」が取り組む、高い安全性と低コストを両立して人工衛星を帰還させる「ハイブリッドスラスタ」の実現に向けた研究を昨年10月~今年2月に実施。実機に近い試験モデルによる燃焼試験に成功した。
燃焼試験では、燃焼室の内部をより実機に近い試験モデルとしている。また、試験モデルに合わせて精度の高い推力計測システムを構築し、信頼性や再現性のあるデータを取得することに成功した。
前回試験時には、燃料に酸化剤を流すための穴が1つのシングルポートを使用したが、今回はより大型となるマルチポートで大気環境下での⾧時間燃焼試験を実施した。
この実験において、軌道離脱に必要となる⾧時間燃焼に成功し、世界的にも例の少ないマルチポートでの推力計測に成功したという。
研究グループは「今後、これまでに得られた各種試験の結果を受けてエンジニアリング・モデル設計の詳細化を進め、さらに実機に近い状態での燃焼試験を複数回行うことで、最終的なフライト・モデルの製造を進めていく」と説明した。