東京農工大学と神奈川県自然環境保全センター、豪クイーンズランド大学の研究チームは、スズメの仲間「ゴジュウカラ」がハバチの発生数に同調して数を増加させることを発見した。
研究では、神奈川県の丹沢山地にあるブナ林で2013年~21年までハバチの発生数とその捕食者である鳥を調べることで、ハバチの大発生に対する反応を明らかにすることを目的とした。
その結果、ゴジュウカラのみがハバチの発生に合わせて増減すると発見。その理由について研究グループは、「ゴジュウカラが下向きに幹を移動できること」と「営巣場所の柔軟性」をあげた。木の上を動くハバチの幼虫は発見しやすく、森の樹洞にも巣を作れるためハバチが大量発生した場所にあわせて営巣できるという。
研究グループは「捕食者によるハバチの大発生に対するトップダウン効果をより詳しく明らかにするには、鳥だけでなくさまざまな種とハバチとの関係をあわせて考えることが必要だ」とした。