広島大学の冨永るみ教授らの研究グループは、茶の若葉を形成する細胞の毛状突起「トライコーム」が遮光で減少することを発見した。この発見は、トライコームと者の品質との関係を明らかにするために重要な知見といえる。
研究グループは高品質な茶葉を作るために、光をさえぎることが茶葉に及ぼす影響を調査した。その結果、約2週間の遮光処理により、若葉のトライコーム数が光をあてた条件に比べて約30%減少することが分かった。
また、茶葉の横断面を観察すると遮光により表皮細胞の厚さが約3割薄くなることが明らかになった。研究グループは「トライコームが多いと高品質となるのかは不明だが、これらの効果が、緑茶の品質に影響しているのではないか」と推測している。
冨永教授らは「今後はトライコーム形成機構および品質との関係についても解明し、より美味しいお茶作りに貢献したい」とコメントした。