東京大学の鈴木俊貴准教授らの研究グループは、野鳥の一種「シジュウカラ」が翼の動きをジェスチャーとして用い、特定のメッセージを伝えることを発見した。今後、さまざまな動物種を対象に、身振りとその意味を探る研究が活発化すると期待されている。米学術誌「カレントバイオロジー」のオンライン版に25日付で掲載された。
研究では昨年5〜6月に長野県北佐久郡の森に巣箱を仕掛け、それを利用して繁殖したシジュウカラのつがい8組を対象に観察した。
その結果、翼を小刻みに前後にふるわせることでシジュウカラが「巣箱に先に入って」と伝えることや、それをするのは8割以上の場合でメスであることなどが判明している。
研究グループは、鳥の翼にも人と同様にコミュニケーション機能があると考察。人と鳥と遠く離れた分類群で仕草による意思疎通が独自に発達した可能性があるとしている。
鈴木准教授は「人類と同様、鳥類も2本の脚で立つので、その間、翼(腕に相当)は自由です。ジェスチャーの進化を紐解くヒントになるかもしれない」と述べている。