金沢大学と静岡大学、砂防図書館の共同研究グループは、令和6年能登半島地震の発生地点から遠く離れて土砂崩れが発生した地域の1つである金沢市で崩壊した盛土の一部は粒子の大きさがそろった軟弱な細粒砂であることを発見した。地震防災対策への活用が期待されている。
研究グループは震災の震央から最も離れた地域の1つ石川県金沢市田上新町と同県内灘町西荒屋で現地調査を行った。これら地域の盛土の崩壊は、被災地の中でも特に崩れやすかったと考えられ今後の防災対策の資料として重要視される。
分析によると、金沢市で滑落した崖に見られる未崩落の盛土は、小石の含泥率が低く粒子の大きさがそろった細粒砂で、軟らかな土砂だった。また、内灘町の試料は、内灘砂丘の露頭の堆積物と噴砂した粒度の構成はほぼ同じで、粒子の大きさがそろった砂であった。
研究グループはこれらの情報から金沢市田上新町の盛土崩壊の原因は、地震動によって粒子の大きさがそろった軟弱な細粒砂からなる盛土が液状化したことによると推測したという。