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サッカーでパスを「出さない」判断の重要性 上手い人は抑制の神経活動が大きい 大阪公立大

大阪公立大学の松竹貴大助教らの研究グループは、サッカー選手が安定した反応をするためにはパスを「出さない」と判断する脳の働きが重要であると発見した。高スキル者は反応を抑制する神経活動が大きいことが分かっている。

サッカーの知覚に関するこれまでの研究では、パスを出すと判断する「反応実行」に関する機能に焦点があてられていたが、パスを出さないと判断する「反応抑制」に関する機能については十分に解明されていなかった。

研究グループは21人の男子学生を対象にしてサッカーにおけるパス選択場面を画像で提示し、反応にかかった時間とパスを「出す」「出さない」と判断した場面それぞれの脳波を測定した。

その結果、サッカー選手が速く安定した反応をするためには、パスを出さないと判断する脳の働きも重要であることが明らかになった。サッカー選手の知覚や認知、行動の理解は、競技力向上のために重要な課題だが、今後「反応抑制」にも着目してトレーニングをデザインすることが有用であると考えられるという。

松竹助教は「今後は研究成果を発展させ、効果的なトレーニング方法の構築だけではなく、サッカーの魅力を科学の視点からも伝えることに貢献したい」と説明している。