和歌山県立医科大学は心筋細胞内たんぱく質Nrf2が、急性心筋梗塞の法医診断の指標となることを解明した。法医診断が困難とされてきた発症初期の心筋梗塞の診断精度が向上しそうだ。
研究では、死後72時間未満の法医剖検例64例の心臓組織試料について検討。死因が心筋梗塞とその他の2群に分けて、Nrf2たんぱく質の発現所見に違いが認められるかを調べた。
その結果、Nrf2はこれまでに使われてきた心筋梗塞の指標(FNやC5b-9)と比較しても絶対的評価が可能な点で客観性が高いことが示され、Nrf2発現が発症早期の心筋梗塞の法医診断に有用であるという新たな知見を得ている。
研究グループは「診断指標(FNやC5b-9)と組み合わせて用いることにより、より客観的かつ正確に心筋梗塞の診断をすることが可能となり、法医診断が困難とされていた発症早期の心筋梗塞の診断精度が向上する」と期待を寄せている。