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ブルーライト照射で効率的に花粉管を破裂 横浜市大研究Gが発見 重複受精の仕組みの解明に貢献 

横浜市立大学の杉直也特任助教らの研究グループは、青色光(ブルーライト)を照射する簡単な操作で効率的に花粉管の破裂を誘導できることを発見した。このことは植物独自の重複受精の仕組みの解明に貢献するものとしている。

グループはモデル植物「シロイヌナズナ」の花粉管を材料として実験を行う過程で、ブルーライトを照らす条件下で花粉管が効率良く破裂することに気付いた。そこで研究では、花粉管破裂を制御するメカニズムの解明および制御技術の開発に貢献する知見が得られると考え、その解析を進めた。

他植物種でも見られる現象か調べると、暑い夏に花を咲かせる「トレニア」などでも観察され共通した事象であると確認。さらにブルーライトは花粉管の先端に作用して破裂に導いていることが明らかになっている。

この花粉管破裂時のカルシウムパターンを明らかにするために、カルシウムセンサー「緑色蛍光タンパク質」を発現させた花粉管の観察を行った。その結果、ブルーライトには花粉管へカルシウムイオン流入を誘導する作用があり、これにより花粉管破裂が起こることが示唆されている。

研究グループは「効率的な花粉管破裂誘導法の開発により、花粉管破裂直後に素早く起こる精細胞活性化機構の解析への新たな道が開けた」とコメントしている。