文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
無限に広がるVR空間を狭い部屋で歩き回れる 東北大助教らが新技術開発

東北大学の藤田和之助教らの研究グループは、限られた空間内でのバーチャルリアリティ(VR)を実現可能にするため、独自の新システム「RedirectedDoors+」を開発した。

近年、ユーザーが実際に歩行することでVR空間内を探索可能とする「ルームスケールVR」体験が注目されている。だが、広い空間が必要であることやVR内で触れた物に対する感覚が得られないなど課題もある。

Doors+はVR空間内を歩行する体験での触覚フィードバックをするとともに、体験が限られた物理空間内に収まるようにユーザーの進行方向をだまして誘導することを実現したシステムだ。

性能評価のために実施したシミュレーションでは、形状の異なる6種類のVR環境において、歩行体験に必要な物理空間のサイズを平均74%まで圧縮できることを示した。

研究グループは今後について「よりリアルなVR体験を限られた物理スペースで実現できる本技術は、エンタテインメント以外にもさまざまな分野へ応用可能であると期待される。今後はこれらの応用シナリオでの実証を目指す」と意気込んでいる。