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内閣府BRIDGE「実践PFの構築と社会実装」が始動 一人ひとりに適した食を提供

医薬基盤・健康・栄養研究所(代表機関)と、京都大学や九州大学、東京農業大学など15機関(※)が連携し、「Precision Nutritionの実践プラットフォームの構築と社会実装」を始まった。同事業は「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」(内閣府事業)のひとつ。

15機関は「消費者とつなぐポータルサイト構築」と「食の効果を予測・診断するシステム開発」「代替食品・レシピの開発」を共同で行う。個人の特性に応じた食の提案が可能な社会の実現を目指す考え。

これまでの栄養学は、栄養不足の解消を目指し、集団から得られたデータをもとに一般化された栄養摂取基準を作ってきた。一方で、時代の変化と共に、健康のための機能性が食に求められるようになってきたものの、同じ食品を摂取しても、効果は人によって異なることが明らかになっている。

このような背景から、近年は、食の効果の個人差を考慮する必要性が認識されている。そこで、遺伝子、生活習慣、腸内細菌、ライフステージ等に応じて、一人ひとりに適した食事の提案を行うことで健康社会 の実現を目指す「Precision Nutrition(精密栄養学)」の重要性が提唱されている。

こうした状況を背景に、医薬基盤・健康・栄養研究所では、1万人(2024年1月現在)を超える日本人から㋐食事、運動、睡眠等の生活習慣や、㋑健康診断や疾患歴等健康状態に関する情報と共に、㋒便、血液、唾液等のサンプルを提供してもらい、腸内細菌叢や代謝物、免疫パラメーター等を測定することで、健康維持や増進に関わる有用菌や有用代謝物の同定、それらを培養・生産する技術開発を行ってきた。

これらの知見やノウハウを活かし、これまで「腸内細菌の迅速測定システム」「有用代謝物の定量」、「AI を用いた食の効果の予測システム」等の技術開発を進めてきた。

これら厚生労働省や医薬基盤・健康・栄養研究所の施策により培ってきた技術を基盤に、BRIDGEでは、技術の高度化や最適化を行う大学や社会実装を担当する民間企業と連携・事業展開することで、「Precision Nutrition(精密栄養学)」の観点から、個人の特性に応じた食の提案・提供を可能と する社会実装を進めている。

※ 参画15機関:九州大学、京都大学、コラゾン、島津製作所、食の安全分析センター、新南陽商工会議所、東京農業大学、Noster、樋口松之助商店、プレシジョンヘルスケア研究機構、ヘルスケアシステムズ、堀場製作所、森永乳業、山口こうじ店、早稲田大学