国立教育政策研究所文教施設研究センターでは、令和３年２月から令和５年３月まで学習空間づくりに関する有識者で構成する調査研究会を実施し、「創造的な学習空間の創出に関する調査研究」報告書を作成した。研究所ウェブサイトに掲載し、全国の教育委員会を始め、広く一般に公開する。

「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげていくことが求められている。こうした中で、学校施設において、「主体的・対話的で深い学び」の推進に当たり、ＩＣＴ活用等による学習の個別化の進展や協働学習などこれまでにない学習方法や学習形態の多様な展開を可能とする学習空間が必要で、新しい時代の学びを実現する学習空間づくりは極めて重要。

文部科学省では、昨年３月に「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」（最終報告）を取りまとめ、支援策として学習空間づくりのポイントを提示している。

文教施設研究センターは、アクティブ・ラーニングに積極的に取り組み、ＩＣＴを活用した学習を進めるなど、様々な視点から全国の小学校、中学校、施設一体型小中学校の20校を抽出し、質問紙調査を実施。また、国公私立の小学校、中学校、義務教育学校等を含む８校を対象に現地調査を実施した。

質問紙調査及び現地調査の結果から、学びの変化や学習空間の課題を分析している。さらに、学習空間づくりにおけるポイントや学校施設全体の計画モデルを提案している。