日本弁護士連合会(日弁連)は、旧統⼀教会に対する解散命令の請求に関する実効的な被害の救済を求める会⻑声明を行った。「霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害の実効的な救済のためには、当該宗教団体の財産散逸を防止しなければならず、財産保全等を現実的に可能とする仕組みが必要」と指摘した。すでに全国統一教会被害対策弁護団が被害総額約39億5000万円にも上る集団交渉や集団調停申立を行っており、これらはさらに増える可能性もあることにも言及。「これほどの被害の訴えが現に存在することは、解散命令請求が行われたことと合わせて重く受け止めなければならない」と述べ、政府等に対して、迅速な対応を求めた。
さらに、宗教団体の財産保全は、当該団体の財産権や宗教活動を行う権利との関係が問題となり得ることにも着目。「宗教法人に対する財産保全に関する規定はないものの、旧統一教会に対する解散命令請求が行われたことを踏まえて、保全のための管理や監督の方法については、特別の規定を設けることで、制限的でない手段を講ずるなど、さまざまな方策も考えられる」とした。
その上で、国は被害の回復に向けて最大限努力する責任と義務があるとし、日弁連として、国に対し、被害者の救済を確実かつ実効的なものにするための法整備を迅速に検討することを求めることとしている。