国立教育政策研究所教育課程研究センターでは、中学校及び高等学校における特別活動について、教員向けの指導資料「学校文化を創る特別活動(中学校・高等学校編)」を作成した。今後、同指導資料を全国の教育委員会等に配布し、特別活動の更なる推進・充実を図る。また、研究所ウェブサイトで広く一般にも公開する予定。
新指導資料は、○ 特別活動の教育課程上の役割や教育的意義について解説、○ 指導の具体的ポイントや留意点を1ページ又は見開きで紹介、○ 展開例やワークシートの例を多数掲載、○ 事例や参考例の最後に評価のポイントを掲載―が主な特徴となっている。
学級活動・ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事といった特別活動は、生徒の自治的な能力や自主的な態度を育て、学力向上の基盤に必要な望ましい人間関係を築くために大きな役割を果たす。また、集団生活を通して心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るなど、生徒の成長に欠かせない大切な教育活動。
一方、近年、全国的に若手教員の増加傾向が見られ、特別活動には教科書等の教材がないことなどから、先輩教員からの指導技術の継承が円滑に行われなかったり、特別活動の教育的意義が十分に理解されなかったりするなど、特別活動の学習が必ずしも効果的に行われていないという課題が散見される。
また、特別活動の指導資料は平成27年にも中学校編が作成されているが、現在の学習指導要領に対応したものではなく、高校についてはこのような指導資料自体が多くないという。
こうした状況を踏まえ、学級活動・ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事の各内容について、指導上のポイントや留意点などを詳細に解説した指導資料を作成した。
教育課程研究センターでは、「今後、各中学校及び各高校で本指導資料が有効に活用され、効果的な特別活動が展開されることを期待しています」と作成の意義を強調している。